PS5縦置きは危険?横置きとの違いと故障リスクを徹底考察!

PS5縦置きは本当に危険なのか。液体金属冷却の仕組みやソニー公式の設計思想、修理現場や専門家の検証結果をもとに、縦置きと横置きそれぞれのメリットとリスク、初期型ユーザーが今取るべき対策を分かりやすく解説します。

PlayStation 5(PS5)がここにきてあらためて議論になっているのが縦置きは危険なのではないかという「縦置き危機論」です。

PlayStation5が発売されてからもう気づけば5年。
PS4比べてゲームのロードは早いわ映像もどんどん綺麗になるわで、PS5は今も現役バリバリな存在ですよね。
そしてついに11月に薄型PS5が出ましたね!
特集記事も作成中です!乞うご期待☺️
新型の登場で「そろそろ買い替え迷う…」という方も多いのではないでしょうか。

そんなタイミングでまた静かに話題が再燃しているのが、
PS5の縦置きって本当に大丈夫なの?問題。

発売当初にも一度ざわついたテーマなのですがここ数年で「初期型モデルの故障報告が増えてきた」という声があちこちから聞こえるようになり、現在再び注目度が上がっています。
ゲームって長く付き合うものだしできるだけ安全な置き方が知りたい…その気持ち、とてもよく分かります。

そこで今回は、ソニーの公式設計思想・修理の現場で実際に起きていること・専門家の検証・ユーザーのリアルな声
こうした複数の視点から縦置き・横置き論争をいったん整理してみました。

SNSの断片的な噂ではなくできるだけ落ち着いた形で、「今、PS5をどう置くのがベストなのか?」を一緒に確認していけたら嬉しいです。

  1. PS5 縦置き問題とは
  2. ソニー公式の立場とPS5の設計思想
    1. PS5が採用した液体金属冷却
    2. 縦置きも横置きも安全が前提
  3. 液体金属漏れは本当か
    1. 修理業者の証言と反論
    2. 当時は懐疑派が多数派だった理由
    3. 初期型PS5を中心に故障報告が増加
    4. TronicsFixの分析
    5. 開発者も懸念を表明
      1. 高負荷ゲームで「15〜30分でシャットダウンする」報告が増加
    6. ユーザーの証言も各国の掲示板に増加
    7. 「突然故障 → 修理で液体金属漏れが判明」という例も
  4. 横置き派と縦置き派 それぞれの主張
    1. 横置き派(慎重派)の主張
      1. 液体金属が均等に広がりやすい
      2. 転倒リスクがほぼゼロ
      3. ディスクドライブ時の振動が抑えられる場合がある
      4. 実際の体験談からの安心感
    2. 縦置き派(擁護派)の主張
      1. 実際に不具合が出ていないユーザーが多数
      2. 設置スペースの問題
      3. デザイン性・メーカーの演出
      4. 重大トラブルが世界規模で起きていない
      5. 仕様環境による違いを重視する声
    3. 結果
  5. 縦置きと横置き それぞれの利点と欠点
    1. 縦置きの主な利点と欠点
    2. 横置きの主な利点と欠点
      1. 温度差の検証について
    3. メンテナンスと長期運用の観点から見た推奨ポジション
    4. 物理的な衝撃を避けることも重要
    5. 横置きでも油断は禁物
    6. 定期的なメンテナンスは必須
    7. 異常を感じたら早めに相談を
    8. 新型PS5とPS5 Proで行われた冷却構造の改良点
      1. 液体金属の偏りを抑えるための「溝加工」
  6. 最終結論:いま選ぶべきPS5の置き方
      1. 「縦置きにした瞬間に壊れる」は誤解
      2. 縦置きリスクはゼロではない
    1. いま取るべき対策は何か
    2. 置き方の見直しは「いま」が好機
    3. PS5とこれからも長く付き合うために
  7. くまおの視点👀
    1. 関連

PS5 縦置き問題とは

火種になったのは2023年初頭に公開されたネットメディアの記事でした。
そこで指摘されたのは、PS5を長期間縦置きで使い続けると冷却用に使われている液体金属が偏ったり最悪の場合は漏れたりして故障につながる可能性があるのではないかという内容です。この話題がニュースサイトや解説記事で次々に取り上げられ、広く知られるようになりました。

SNSではこの報道をもとにしたまとめ投稿や注意喚起が一気に拡散されます。タイムラインには、

【注意】PS5、長時間縦置きしているとぶっ壊れる不具合が見つかる…今すぐ横置きにしろ

といった強い言葉の投稿も流れ多くのユーザーが不安を抱える状況になりました。

その一方で、

本当に深刻な構造的欠陥があるなら、発売から2年以上経った時点で世界的な大騒ぎになっているはずだ
騒がれすぎているだけで、実際にはごく一部のレアケースではないか

といった冷静な見方も当時から少なくありませんでした。ソニー側もこの話題について設置方法の変更や特別な注意喚起を出すことはなく、公式コメントを控えたままの状態が続いています。

ところが、その後も時間が経ち2024年から2025年にかけて状況に少し変化が出てきます。
ゲームプレイ中にPS5が突然シャットダウンしたり高負荷時に電源が落ちるといったトラブルが、特に初期型モデルを中心に増えてきたという報告が複数のメディアや修理業者から出始めました。

中には縦置きで使われていた本体を分解してみると液体金属が一方向に寄っていたりわずかに滲んだような跡があったと証言する修理業者や開発者もいます。
発売から数年が経ち、ちょうどメーカー保証が切れ始めるタイミングと重なるように縦置き危機論が実際の故障事例と結びつく形で再び話題に浮上してきたと言ってよさそうです。

そこで今回はPS5の縦置きリスクをめぐる論争について、

  • ソニーの公式な設計思想
  • 修理現場で報告されているトラブル
  • ハードウェア系YouTuberや専門家による検証結果
  • ユーザーコミュニティでの体験談と議論

といった複数の視点から整理していきます。

そのうえで、縦置きと横置きそれぞれのメリットデメリットを整理し不安をどこまで現実的なリスクとして考えるべきかを落ち着いて確認していきます。
長く安全にPS5を使うための現実的な選択肢を一緒に見極めていきましょう。

ソニー公式の立場とPS5の設計思想

縦置きは本当に危険なのかを判断するうえでまず押さえておきたいのがソニーが「縦置きで故障する」と明言したことは一度もないという事実です。

PS5は発売当初から縦置きでも横置きでも正しく動作する据え置き型ゲーム機として設計されています。製品には縦置き用スタンドが標準で付属し、取扱説明書にも両方の設置方法が丁寧に掲載されています。どちらか一方だけを推奨する文言もありません。

ソニーのエンジニアや幹部のインタビューでも、
「PS5は垂直でも水平でも使用できる設計になっている」
と一貫して説明されており縦置きにしたからといって保証外になることもありません。正しくスタンドを取り付け安定した場所に設置することが前提というだけで、縦置きはあくまで想定された使い方です。

では、この明確な設計意図があるにもかかわらずなぜ「縦置きリスク」という噂が広まったのでしょうか。その背景にあるのがPS5特有の冷却構造です。

PS5が採用した液体金属冷却

PS5では従来のペースト状グリスではなく、ガリウム合金を主成分とした液体金属(リキッドメタル)がAPU(CPU+GPU)とヒートシンクの間に使われています。
液体金属はグリスと比べて熱伝導率が約10倍と非常に高く
、PS5のように高性能で発熱量が大きいチップを静かに冷却するには最適な素材です。

しかし、液体金属にはメリットだけでなく慎重な扱いが求められる側面もあります。

  • 常温で液体のため流れやすい
  • 金属なので電気を通す

もし基板に漏れればショートの原因になり得るため、従来のグリスよりも封止構造の精度が重要になります。

この課題に対応するためソニー開発チームは約2年かけて液体金属の封止技術を実用化しました。
開発者インタビューや公式映像ではAPUの周囲をスポンジ状のシール材や黒い保護フィルムで囲い込み、液体金属が外へ逃げないようダムを形成する構造が採用されていることが明らかになっています。

さらに、

  • 液体金属の塗布量
  • 粘度の調整
  • シール材の精度
  • 長期テスト

といった検証が繰り返し行われ結果として公式の結論は
「正しく封入されている状態であれば重力によって液体金属が漏れて基板に到達する可能性は極めて低い」
というものでした。

縦置きも横置きも安全が前提

以上の情報を総合するとソニーのスタンスは非常に明確です。

  • 縦置きと横置きのどちらにも優劣はない
  • どちらもPS5の想定された使用方法
  • 新品状態で縦置きにしただけで液体金属が漏れる設計にはしていない

つまり、公式の考え方としては縦置きそのものが危険という前提は存在しないのです。

それでもなお縦置き危機論が広まり2024年以降再び注目を集めている背景には、実際の故障事例が少しずつ可視化されてきたこと。そして初期モデルを中心とした経年劣化と温度変化の影響が密接に関係しています。

次の章では、修理現場で報告されている具体的なトラブルやハードウェア系YouTuber・専門家の検証を基に縦置きリスクの実態に踏み込みます。

液体金属漏れは本当か

修理業者の証言と反論

PS5が発売された初期の段階から修理専門家やハードウェア系YouTuberの間では、
「縦置きのまま長期間使用すると液体金属が偏るのではないか」
という懸念が静かに語られていました。

そして2023年1月にこの懸念を大きく取り上げたフランスの修理業者の報告が海外メディアに掲載され日本の家電系メディアも追随。
「PS5を縦置きで使用し続けた一部個体で液体金属が漏れ故障につながっている可能性がある」
という内容が拡散されSNS上には縦置きを警告する投稿が大量に流れました。

この段階では明確な根拠が乏しいまま話題だけが先行し、多くのユーザーが慌てて横置きへ変更するほどの騒ぎになりました。

当時は懐疑派が多数派だった理由

「数千万台売れているなら大騒ぎになっているはず」

2023年前後の時点では懐疑的な意見の方がむしろ強い状況でした。

PS5はすでに世界で数千万台規模で普及しており、もし本当に構造的な欠陥があれば「発売初期から大量の故障報告が噴出し世界規模で大問題になっているはず」という考え方が主流だったためです。

実際一部のメディアは後に、
「新品未開封のPS5で液体金属漏れが確認されたという確証は得られなかった」
として記事内容を訂正しています。

またソニーも当時は
「現時点では特別なコメントはしない」
という姿勢を保ち公式な注意喚起も出していませんでした。
こうした流れから縦置き危機論をデマ扱いする風潮が一時的に広がったのも事実です。

初期型PS5を中心に故障報告が増加

発売から数年が経過しメーカー保証が切れ始める2024年以降、世界中の修理業者から届く報告に明確な傾向が現れます。

初期型PS5を縦置きで長期間運用していた個体に冷却系の故障が増えている。

分解時の報告としては、

  • 液体金属が重力方向へ偏り本来覆うべきAPUの一部が露出している
  • 一部ではドライスポットが形成され熱伝導が不十分になっている
  • まれにダム構造を越えて液体金属が外側へ回り込み基板にまで達していた

といったケースが報告されています。
新品直後ではほぼ発生しないため、経年劣化+縦置き状態が組み合わさったことで顕在化する問題という見方が強まっています。

TronicsFixの分析

「基板まで到達するケースは極めてまれだが偏りと乾燥は確認している」

修理系YouTuberとして最も知られるTronicsFix(Steve氏)はこの問題を早期から検証してきた人物です。彼の修理した個体のなかには、

  • 長期使用された初期型PS5
  • APUの接触面に液体金属が偏りドライスポットが形成
  • 冷却効率の低下により熱暴走が発生

という症状が確認されています。

Steve氏は次のように評価しています。

  • 内部シールの構造は基本的に堅牢
  • 通常使用で液体金属が大量に漏れて基板に到達する可能性は非常に低い
  • ただし初期型に限定すれば偏りや乾燥が起きている例は実際にある

そのうえで長期的な安全性を考えるなら「初期型ユーザーは横置きの方がより安全側に振れる」と見解を述べています。

開発者も懸念を表明

高負荷ゲームで「15〜30分でシャットダウンする」報告が増加

2025年にはゲーム開発者側からも問題提起がありました。

恐竜サバイバルゲーム『PathofTitans』を手掛けるAlderonGamesの創設者のMatthew Cassells氏は、PS5版プレイヤーから寄せられる「プレイ中に急にシャットダウンする」という報告を調査した結果、

  • 特に縦置きで運用していたPS5
  • 液体金属が本来の位置から僅かに垂れ落ちている
  • 一部のAPU接触面で十分な熱伝導が機能していない

と判断できる症例を複数確認しています。

Cassells氏は、「グラフィック負荷が高いゲームほど症状が起きやすく過熱保護で電源が落ちる」と説明しソニー側へも問い合わせを行ったことを明かしています。

プレイヤーのうち2〜3%程度が何らかの症状を経験しているというデータもあり完全に無視できる数字ではない状況になりつつあります。

ユーザーの証言も各国の掲示板に増加

「突然故障 → 修理で液体金属漏れが判明」という例も

国内外の掲示板では次のような体験談も散見されます。

  • 「縦置きで使っていたら急に電源が入らなくなった。修理に出したら液体金属が飛び散っていたと説明された」
  • 「長年縦置きにしていたPS5が完全に壊れた。内部で液体金属が混ざり合っていたと言われた」

もちろんこれらは全体から見ればごく一部のケースです。
世界的な販売台数を踏まえると統計的には少数派であることは間違いありません。

しかし発売から数年が経過し初期型モデルの経年劣化が進んだことで「縦置き運用が長期的な冷却トラブルを引き起こす可能性があるという見方が以前より現実味を帯びてきた」これが現在の状況と言えます。

次の章では、縦置きと横置きそれぞれのメリットとリスクを実例に基づいて整理しどちらがより長期的に安全なのかを明確にしていきます。

横置き派と縦置き派 それぞれの主張

PS5の縦置きリスクをめぐる情報が増えるにつれ、ユーザーコミュニティでは横置き派縦置き派の議論が活発化しています。どちらの意見にも理由があり設置環境や使用スタイルによって最適解が分かれる傾向があります。ここではそれぞれの主張を整理していきます。

横置き派(慎重派)の主張

横置き派は、液体金属の偏りや経年劣化によるトラブルを避けたいと考えるユーザーを中心に増えてきました。

液体金属が均等に広がりやすい

横置きは液体金属が重力方向へ偏りにくいとされ、APU全面に均等に留まりやすい点が最大の根拠です。
冷却が安定することで長時間のゲームプレイや夏場の高温環境でも安心感が増します。

修理・検証系YouTuberのTronicsFixも「横置きの方が液体金属が一箇所に溜まりにくく、長期的に見ると冷却が安定しやすい」と解説しており、特に初期型モデルのユーザーには横置きを推奨しています。

転倒リスクがほぼゼロ

PS5は筐体が大きく、縦置き時には安定性が万全とは言い切れません。
地震や不意の衝撃で転倒すれば内部の封止材に負荷がかかったり外装が破損する可能性があります。
横置きなら物理的な転倒リスクをほぼ完全に回避できる点が安心材料になっています。

ディスクドライブ時の振動が抑えられる場合がある

横置きに切り替えたことでディスク読み込み時の振動や動作音がわずかに静かになったと語るユーザーもいます。差はごく小さいものの静音性を求める人にとってはメリットです。

実際の体験談からの安心感

海外掲示板では「縦置きでしばらく使っていたら本体がやけに熱くなった。横置きにしたら嘘のように落ち着いた」という体験談も投稿されており、横置きの方が熱管理に優れるケースもあるようです。

横置き派の総意は明確で「デメリットがほとんど無い以上、安全側に振りたいなら横置き一択」というスタンスです。

縦置き派(擁護派)の主張

一方縦置き派は今も根強い支持を持っています。理由の多くは「問題なく使えている」という実体験と生活動線における現実的な都合です。

実際に不具合が出ていないユーザーが多数

SNSでもコミュニティでも「発売日からずっと縦置きでトラブルゼロ」という報告が数多く見られます。
世界規模の販売台数を考えると、縦置きで問題なく動作している個体は圧倒的多数でありこの事実が縦置き派の主張を支えています。

設置スペースの問題

PS5は非常に大きな筐体を持つため「横置きにすると置き場所がなくなる」というユーザーも少なくありません。テレビ横の細いスペースに縦置きで収めている家庭も多く、現実的なスペース事情は無視できないポイントです。

デザイン性・メーカーの演出

PS5は発売当初パッケージや公式画像でも縦置きが印象的に使われていました。
そのため「メーカーが想定している姿なのだから問題ないはず」という信頼感を持つユーザーも多い状況です。

重大トラブルが世界規模で起きていない

縦置き擁護派の大きな論点として「もし本当に危険なら、世界規模で回収や無償交換が行われているはず」というものがあります。
実際に液体金属漏れによる大規模なリコールは一度も発生しておらず、縦置き=即故障という単純な図式ではないことを示しています。

仕様環境による違いを重視する声

縦置き派のユーザーは起きた故障の背景には

  • 輸送時の衝撃
  • ユーザーの改造や分解
  • 温度の高い環境での長時間使用
  • ホコリの蓄積などメンテナンス不足

といった「個体差」が大きく影響しているのではないかと考える傾向があります。

掲示板でも「縦置きでも横置きでも大丈夫。結局は設置環境と風通し次第」という意見が多く、正しく設置し定期的な清掃をする前提なら縦置きで問題ないという見方が広く共有されています。

結果

横置き派と縦置き派はどちらも実際の体験や根拠のある情報に基づいた主張をしています。

  • 冷却性能と安全性を最優先するなら横置き優勢
  • スペースや見た目を重視し、問題なく運用できているなら縦置きも十分選択肢

という構図になりつつあります。

次の章ではこれらの情報を踏まえて、PS5を長期的に安全に使うための最適な設置戦略を分かりやすく整理していきます。

縦置きと横置き それぞれの利点と欠点

ここまでの議論を踏まえ、PS5を縦置き・横置きで運用する際の特徴を整理します。どちらが絶対に正しいというものではなくそれぞれにメリットとデメリットが存在します。

縦置きの主な利点と欠点

主な利点

  • 設置面積が小さく省スペースで置ける
  • タワー型PCのような外観で縦置きの姿が映える(好みの問題)
  • ソニー公式が想定した配置方法であり心理的な安心感がある

主な欠点

  • 長期的には液体金属が重力方向へ偏るリスクが指摘されている
  • 地震や衝撃で倒れる可能性があり物理的破損のリスクが高まる
  • 吸気口の位置によってはホコリが上方向から内部に落ちやすいという指摘がある

横置きの主な利点と欠点

主な利点

  • 液体金属がチップ全面に広がりやすく冷却性能が安定しやすい
  • 本体が安定し転倒リスクがほぼゼロになる
  • 両側に通気スペースを作りやすくエアフロー設計を最適化しやすい

主な欠点

  • 横方向に大きなスペースが必要でテレビ周りのレイアウト次第では置きにくい
  • スタンドを使わずに直置きすると底面通気口を塞ぎやすい
  • 縦置きに比べて存在感が小さく見た目のインパクトが弱くなる(好みの問題)

温度差の検証について

複数の検証では縦置きと横置きで運用したときの温度差はほとんど出ないという結果もあります。
ただし、液体金属の偏りや乾燥スポットといった数年単位のリスクを考えると横置きが有利という点については、多くの修理業者・専門家の見解が一致しています。

メンテナンスと長期運用の観点から見た推奨ポジション

これらを踏まえると最終的なポイントはどれだけリスクを減らせるかにつきます。

結論:長期運用なら横置きがより安全

特に初期型(2020〜2021年製)では液体金属の偏り報告が目立つため、「いま縦置きでも横置きに切り替えておく」という判断は十分に合理的です。横置きにするだけで液体金属の偏りを抑えられる可能性が高まり本体の転倒リスクもほぼゼロになります。

物理的な衝撃を避けることも重要

液体金属を囲うシール材は繊細で強い衝撃を受けるとズレたり破損するおそれがあります。

  • PS5を移動させるときは必ず電源を切りしばらく冷ましてから丁寧に扱う
  • 縦置き時はスタンドをしっかり固定しぐらつきのない場所に設置
  • 地震の多い地域では棚の上段など落下しやすい位置への縦置きは避ける

これらは縦置き・横置きどちらにおいても重要です。

横置きでも油断は禁物

横置き時にスタンドを使わず直置きすると底面の通気口をふさいでしまい内部温度が上がる
という問題が起こり得ます。

付属スタンドは縦置き・横置きどちらでも使えるよう設計されているため、
必ずスタンドを装着して底面の通気を確保することが大切です。

定期的なメンテナンスは必須

ホコリはPS5の大敵です。吸気口や排気口にホコリが溜まると冷却効率が急激に低下し、内部のシール材や液体金属への負荷を増やします。

  • 数ヶ月に一度は吸気口・排気口のホコリを掃除機やエアダスターで除去
  • PS5のダストキャッチャー(2箇所)から内部のホコリを吸い出す
  • 特に縦置き時は上部からホコリが落ちやすいため、よりこまめな清掃が望ましい

冷却性能はそのまま本体の寿命に直結するため習慣的なケアは欠かせません。

異常を感じたら早めに相談を

次のような症状が出た場合は自己分解せず正規サポートへ相談すべきです。

  • 本体が異常に熱い
  • ファンの音が急に大きくなる
  • ゲーム中に突然電源が落ちる

液体金属の再塗布や深い部分の清掃は専門技術が必要で自己流の分解は状態を悪化させることもあります。ソニーが電源断の問題について無償修理プログラムを検討しているという報道もあり、まずは公式窓口へ相談するのが最も安全です。

SONY製品サポート受付 公式ページ
※最上段にPSカスタマーサポートが記載されています。

プレイステーションサポート 公式ページ
※カテゴリ別にヘルプガイダンスがされています。

PSオンライン修理受付サービス 公式ページ

次の章ではこれらの情報を踏まえ最終的にユーザーはどう判断すべきか使用環境別のおすすめ配置をわかりやすく整理していきます。

新型PS5とPS5 Proで行われた冷却構造の改良点

最後に新型PS5で加えられた冷却周りの改良について触れておきます。2023年以降に登場したCFI-1200シリーズから薄型PS5(PS5 Slim)、そして2024年発売のPS5 Proにかけて内部構造にはいくつかの重要なアップデートが施されています。

液体金属の偏りを抑えるための「溝加工」

とくに注目されているのがヒートシンクと液体金属が触れる面に施された細かな溝加工です。
分解動画や技術系メディアの解析では、PS5 Proのヒートシンクに矩形状の螺旋パターンのような溝が刻まれていることが確認されています。この加工によって、

  • 液体金属が一箇所に溜まりにくくなる
  • チップ全体に均一に広がりやすくなる
  • 長期使用時の偏り・乾燥を抑える効果が期待できる

と分析されています。

ソニーもPS5 Proの発表時に「冷却効果の安定化のため液体金属接触面に微細な溝を追加した」と説明しており、明らかに旧モデルで指摘されていた偏りリスクを踏まえた改良と言えます。
この改善はその後Slimモデルにも静かに導入されていったとされ、世代を重ねるごとに液体金属の偏りに強い構造へ進化していると考えられます。

ただし構造が改善されたとはいえ、

  • 設置の安定性
  • 衝撃の回避
  • 通気の確保
  • 定期的なメンテナンス

といった基本ポイントが不要になるわけではありません。
むしろ構造が強化されたからこそ、ユーザー側の工夫でさらに長寿命を狙える機体になったと捉えることができます。

最終結論:いま選ぶべきPS5の置き方

ここまでPS5の縦置きリスクについて公式設計・修理現場の証言・専門家の検証やコミュニティの声を多角的に見てきました。最後にこの議論の本質を整理します。

「縦置きにした瞬間に壊れる」は誤解

まず大前提として「縦置きにしただけで即故障する」という極端な主張は事実ではありません。

ソニーの設計思想や複数の検証結果から見ても、新品のPS5を正しく縦置きにしているだけで液体金属が漏れ出す可能性は非常に低いというのが現実です。
発売直後に広まった「縦置きは爆弾」というような表現は明らかに情報が独り歩きしていました。

縦置きリスクはゼロではない

一方でPS5が液体金属という非常に優れた反面デリケートな素材を採用している以上長期運用でのリスクは排除できません。

実際に初期ロット × 経年劣化 × 縦置き × 高負荷この組み合わせで冷却不良やシャットダウンが発生している例は2024〜2025年にかけて確実に増えています。

もちろん全ユーザーが影響を受けるわけではありませんが、現実として無視できない程度には存在しているリスクと捉えるのが妥当です。

いま取るべき対策は何か

ではユーザーはどうすればよいのでしょうか。
答えはシンプルでできる範囲でリスクを減らすことに尽きます。

推奨される行動

  • 可能なら横置きにする(特に初期型ユーザーは効果が大きい)
  • 縦置きするなら、スタンド固定と設置場所を丁寧に見直す
  • 通気を妨げないよう、ホコリ掃除を定期的に行う
  • 異常(熱、音、突然のシャットダウン)が出たら分解せず、公式サポートへ相談する

これらの基本だけでも長期的な故障リスクを大きく下げることができます。

置き方の見直しは「いま」が好機

縦置き派のユーザーに対して「必ず横置きにしろ」と強制するつもりはありません。
ただし、発売から5年が経ち使用時間が長くなってきた今こそ、

  • 「そろそろ横置きに変えてみてもいいかもしれない」
  • 「縦置きで使い続けるなら、せめて月1回はホコリ掃除をしよう」

といった見直しのタイミングであることは確かです。

ソニーも新型機で冷却構造を改良し続けており、設計面の強化は確実に進んでいます。とはいえ、最終的にPS5を守れるのはユーザー自身の設置環境と日頃のケアです。

PS5とこれからも長く付き合うために

感情的な煽りではなく、
確かな情報に基づいた判断
自分の環境に合った置き方の選択
無理のないメンテナンス習慣

これらを積み重ねるだけでPS5とのゲームライフは大きく変わります。

発売5年目の今だからこそ改めて置き方と環境を見直しあなたのPS5をより長くより安全に使える状態へ整えていきましょう。それが今の私たちにできる最適解だと言えるのではないでしょうか。

くまおの視点👀

PS5の縦置き問題はどうしても「絶対安全」「絶対ダメ」という極端な話になりがちですが実際のところはもう少し現実的なラインに落ちつきます。

ソニーの公式設計としては縦置きも横置きも想定内。
そのうえで年数が経った初期型ほど冷却まわりの劣化がリスクに繋がりやすいというのが、修理現場の検証と見解で見えてきた事実です。

だからこそ今は「できる範囲でリスクを減らしつつ、自分の環境に合った置き方を選ぶ」この姿勢がいちばん現実的だと思います。

横置きに変えるのもよし縦置きのまま通気を整えるのもよし。
どちらにしてもちょっとした工夫でPS5の寿命はしっかり伸びてくれます。

これから薄型モデルやPS5 Proを検討している方も含めて、あなたのゲーム環境にとっていちばん快適な“置き方”が見つかりますように。

All Write:くまお

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