
ベトナム人研修生増加と「推し活」と「転売」の決定的な違い
ポケモンカードを巡る複垢転売事件。
ベトナム国籍の人物が逮捕されたという事実だけが切り取られSNSでは短絡的な言葉が飛び交いました。
しかしこの話題、転売の是非でも外国人問題でもオタクの民度論でもありません。
むしろ見えてくるのは日本社会が作った経済構造と推し活市場が巨大化した末の歪みです。
「ベトナム人逮捕」という見出しが隠してしまうもの
今回の事件で注目されたのは逮捕された人物の国籍でした。
ただしここで一度立ち止まる必要があります。
近年、日本国内におけるベトナム人技能実習生・研修生の数は急増しています。
製造業、農業、物流、飲食。
人手不足を補うため現場を支えている存在です。
一方で現実として、
・低賃金
・不安定な在留資格
・言語や制度の壁
・転職や副業の制限
こうした条件の中で短期間で現金を得られる手段に引き寄せられやすい環境があるのも事実です。
ここで重要なのは犯罪の原因を国籍に求めることではなく、不正に手を出させやすい構造が放置されている点です。
ポケカは「欲しい物」ではなく「換金装置」になった
今回の事件でポケモンカードは目的ではありません。
完全に換金手段です。
なぜポケカなのか?理由は単純です。
・小さく軽い
・高額になりやすい
・正規購入ルートが制限だらけ
・買取やフリマという出口が多い
つまり、不正に入手しても現金に変えやすい商品。
これはポケモンカードが悪いのではなく市場としてあまりにも「都合が良すぎる」状態になっているという話です。
推し活と転売は似て非なるもの
ここで一度、言葉を整理しておきます。
推し活と転売は同じ商品を扱っていても目的がまったく違う行為です。
推し活の目的
・好きな作品やキャラを応援したい
・手元に置いて楽しみたい
・体験や感情に価値を置く
推し活の消費は感情消費です。
グッズは結果であって目的ではありません。
転売の目的
・安く仕入れて高く売る
・差額を得る
・商品は一瞬たりとも愛でない
転売は価格差だけを見る行為です。
商品はただの数字でしかありません。
この二つを混同すると議論が壊れます。
推し活は文化であり転売はビジネス不正転売は犯罪です。
問題は「転売ヤー」ではなく「成立してしまう市場」
今回の事件が示しているのは悪意ある人間が特別に狡猾だったという話ではありません。
・複垢で抜けられる購入制限
・不正ログインが成立する認証設計
・身元確認が甘い買取ルート
こうした穴が組み合わさり「やれば儲かる」状態ができてしまっている。
そこに
・低賃金
・短期滞在
・現金需要
が重なれば誰が踏み込んでもおかしくない。
これは社会設計の問題です。
国籍で線を引いた瞬間に問題は解決しなくなる
過去には転売対策を理由に特定国籍を一律で排除する対応を取った店舗が炎上し差別問題として海外報道にまで発展しました。
これは最悪の副作用です。
国籍で線を引けば本当の問題である
・不正アクセス
・不正取得
・換金ルート
から目を逸らすことになります。
必要なのは誰がやったかではなく何が可能になってしまっているかを見る視点です。
推し活市場はもう「善意だけ」で回らない
推し活は素晴らしい文化です。
経済も回し人も救います。
ただし市場が大きくなりすぎた今そこには必ず投機・不正・犯罪が入り込みます。
これはポケカだけでなく、ゲーム機や限定グッズ、チケット、アイドル商材でも同じです。
感情で回る市場ほど数字だけを見る人間に狙われやすいのではないのでしょうか。
いずみの視点👀🎀
正直に言うとこれはオタクの問題じゃないんです。
ポケカを愛してきた人たちが悪いわけでもない。
ベトナム人研修生が悪い話でもない。
儲かる形を作って穴を放置した社会の話です。
推し活は好きだから金を出す。
転売は金になるから手を出す。
(最初は純粋な好きだったはず…)
この違いを曖昧にしたまま怒ってもまた次のターゲットが生まれるだけだと思います。
Written by いずみ(アキサイ編集部)
Culture breaks when money forgets why it exists.


