Amazon公式が11月上旬に発信した「詐欺注意喚起」メール。

年末のセールシーズンを前に、利用者の購買意欲が高まるタイミングを狙うなりすまし詐欺の急増を警告しています。
いまや昨今ではAmazonを装ったメール・SMS・電話による個人情報や支払い情報の搾取が深刻な社会問題です。実際にあるセキュリティ企業の調査によると2024年以降日本を標的にしたAmazon関連フィッシングが過去最大規模で観測されました。
特に「アカウントがロックされました」「支払い方法を更新してください」といった文面を使う巧妙な手口が目立っています。
この記事ではAmazon社が発せざるを得なかった一斉啓発メールについて考察していきます。
実際に届いたAmazonの警告メールの内容
筆者が確認したメールでは冒頭にこう書かれていました。
「年末の買い物シーズンを迎えるにあたり、なりすまし詐欺から身を守るためのヒントをご紹介します。」
文面では「カスタマーサービスは必ずアプリか公式サイトを利用してください」と明記されており、偽サイトへの誘導防止を強く呼びかけています。
さらに、
- Amazonは電話でギフトカードや振込を求めることはない
- 2段階認証とパスキーの導入を推奨
- 「緊急」「今すぐ」などの文面には注意
といった具体的な防御策が示されていました。
お客様を詐欺から守る※Amazonより
なりすまし詐欺の主な手口
1. フィッシングメール型
もっとも多いのが「Amazon.co.jp」からの通知を装う偽メールです。
件名の例としては次のようなものがあります。
- 「アカウントの支払い方法に問題があります」
- 「お支払いが確認できませんでした」
- 「注文内容を確認してください」
これらのメールには本物そっくりのロゴとリンクが含まれており、クリックすると偽ログインページに誘導されID・パスワード・カード情報を盗まれます。
ドメインを確認すると「amazon.co.jp」ではなく「amaz0n-secure.jp」「amzn-support.com」など微妙に異なるURLが使われているのが特徴です。
2. SMS(ショートメッセージ)型
スマホ利用者を狙う「配送確認」型が増加中です。
例:「お荷物の配送に問題が発生しました。こちらで再確認をお願いします → https://amz.〇〇.delivery.jp」
これも同様に偽サイトへ誘導される手口。スマホで閲覧するためURLの違和感に気づきにくく、被害報告が後を絶ちません。
3. 電話・音声ガイダンス型
2024年以降、特に増えているのが「Amazonセキュリティ部門を名乗る自動音声電話」です。
「あなたのアカウントが不正利用されました」「ただちにオペレーターに接続してください」という録音メッセージが流れ、通話を続けるとギフトカード番号や個人情報を要求されます。
Amazon公式は「電話でギフトカードや銀行振込を求めることは一切ない」と明言しています。
実際の被害事例:1クリックで失われた情報
2025年3月に都内在住の会社員男性(30代)が「支払い確認」という件名のメールを受信。
公式そっくりのページでログインしたところ、翌日にはクレジットカードで高額の海外決済が行われていました。
調査の結果、偽サイト「amazon-pay-support.com」へのアクセス履歴が確認され、個人情報が抜き取られていたことが判明。
フィッシング対策協議会の統計でも、2025年10月時点でAmazon関連の報告件数は全体の約22%を占め、LINE・楽天を上回るトップクラスの被害件数になっています。
Amazonが絶対に「しない」こと
Amazon公式が明言している禁止項目は以下の通りです。
- 電話で支払い方法やギフトカードの情報を求めることはありません。
- 銀行口座への直接振込を依頼することはありません。
- メールのリンク先からログインや支払い更新を求めることはありません。
- 「アカウント停止」などの脅迫的表現を使うことはありません。
これらの項目が一つでも含まれている場合は確実に詐欺メールです。
自分でできる安全対策
- Amazonアプリまたは公式サイトからのみアクセスする
→ ブックマークや検索結果からではなく直接アプリを開いて確認しましょう。 - 2段階認証(2SV)を設定する
→アカウントサービス>アカウント設定> 2段階認証について※Amazonから設定可能。 - パスキー(Passkey)を利用する
→ 顔認証・指紋認証など生体認証を使って安全性を高めましょう。 - 怪しいメールやSMSは開かず削除する
→ 添付ファイル・リンクは絶対に開かない。 - メールやSMSのリンクを開いてしまった場合
→ すぐにパスワード変更+カード会社・警察・フィッシング対策協議会に報告。
詐欺メールの見分け方
| チェック項目 | 本物 | 詐欺の可能性 |
| 送信元ドメインが「@amazon.co.jp」か? | ○ | ×(例:@amaz0n-jp.com) |
| 文面の日本語が自然か? | ○ | ×(不自然な漢字や句読点) |
| 差出人の名前だけで判断していないか? | ×(必ずドメイン確認) | × |
| メール内リンクを開かず、アプリで確認したか? | ○ | × |
| 「今すぐ」「緊急」と書かれていないか? | × | ○ |
被害に遭ったときの対処法
- パスワードを即変更
- 2段階認証を有効化
- カード会社に不正利用報告
- 警察・消費生活センターに通報
- フィッシング対策協議会へ報告
Amazonへの報告はこちらへ転送:reportascam@amazon.com
年末特有の注意点
年末セール・ブラックフライデー・クリスマス配送時期には「注文確認」「配送遅延」「住所確認」などの偽メールが爆発的に増えると予想されます。
Check Pointの分析では2024年のAmazonプライムデー前後に約1,900件のAmazon関連ドメインが新規登録され、そのうち9.5%が危険判定。
つまり、わずか数日の間に詐欺用サイトが量産されているのです。
安心してAmazonを使うために
- 常に公式アプリから操作する
- リンクを信用しない
- 2段階認証とパスキーを設定
- 緊急性を装うメールには反応しない
Amazon公式が繰り返し呼びかけているのは「疑問があったら立ち止まり確認する」こと。
焦って行動してしまう心理こそが詐欺師の最大の武器です。
ネット時代の自衛力を持つ
詐欺メール・SMS・電話は誰にでも届きます。
問題は「見抜く力」と「焦らない心」を持てるかどうか。
Amazonを装った詐欺が高度化するほど人間の心理を突く罠が増えています。
買い物を安心して楽しむために今日からできる対策を一つずつ実践していきましょう。
もし怪しいメールを受け取ったらまずは無視、削除。
その一手があなたの資産と時間を守ります。
くまおの視点👀
筆者も何度かAmazonを名乗るメールやSMSを受け取ったことがあります。
最初は「お支払いが確認できません」というメッセージで驚きましたが公式アプリから確認したら異常なし。今思えばリンクを開かずに済んだのは本当に幸運でした。
年末の買い物シーズンは心が緩む時期。だからこそ焦らないことが一番の防御だと感じます。
All Write:くまお
報告窓口
詐欺や被害に遭われた際に役立つ連絡先窓口の一覧です。
Amazon公式
内容: 詐欺や不審なメールに関する報告・相談窓口
URL: https://www.amazon.co.jp/contact-us/
(カスタマーサービス総合窓口をご利用ください)
フィッシング対策協議会
内容: フィッシングサイトのURL報告
URL: https://www.antiphishing.jp/registration.html
消費者庁
内容: 消費者生活全般に関する被害相談窓口
URL:https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/damage/(全国の消費生活センター等をご案内しています)
警察(サイバー犯罪相談)
内容: サイバー犯罪や不正アクセスに関する相談
URL: https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/soudan.html
(各都道府県警察本部への相談窓口の案内です)



