
2022年までに空いたテナント 今どうなった?
2000年〜2022年、秋葉原を歩くたびに目につく空白がありました。
テナントが抜けたというだけではなく文化がごっそり抜け落ちたような感覚です。
あのとき書いたのは嘆きの記事でした。
ただそれで終わらせるのは違う。
2026年の今だからこそ、あの空白が何に置き換わったのかを追跡して記録しておく必要がある。
今回は2022年の記事で言及した主要3地点であるホビー天・GiGO・とらのあなを中心に2026年1月時点での観測結果を記録として残す記事です。
ボークス秋葉原ホビー天国1跡地
交差点の景色ごと消えたアキバの顔
あの交差点の角に建っていたホビ天のビル。
それはただの店舗ではなく、秋葉原という街がホビーの街だと主張していた象徴的な建物でした。
2022年の時点ですでに空室状態が続いていました。
駅から出て信号を渡った瞬間にここも空いたんだなと誰もが感じるほど抜けた感の強い建物だったのを覚えています。
その後2024年春には動きが出ます。
1階と2階部分にドラッグストアがテナントとして入居。
表面的には稼働した状態になりました。
しかしこれは戻ってきたのではなく単なる箱の埋め合わせでした。
外観のままホビーも何も関係なく、交差点の一等地に安定業種を差し込んだだけ。
街の流れとしては完全に応急処置に近いものでした。
さらに2025年に入るとこの応急処置さえも消えます。
短期契約だったドラッグストアが撤退しついに解体工事の掲示が出現。
養生シートで覆われた上階。
解体業者名の掲示。
構造物撤去工事に関する告知。
すべてがこの建物は終わるという明確なメッセージでした。
2026年現在、現地ではすでに上階の構造は取り壊され始めており完全解体は時間の問題と見られます。
結論ははっきりしています。
旧ホビ天は文化が戻ったのではなく、建物ごとこの街から消された地点。
空白は埋まらなかったし機能も置換されなかった。
ただ壊された。
そんな印象を受けてしまいました。
これが2022年からの正当な帰結であり街が変わるとは景色そのものが消えることだと突きつける象徴的な場所です。
セガ秋葉原GiGO跡地
業態をそのまま再点火し遊ばせる
2022年、昭和通り口側にあったGiGO秋葉原1号館の閉店は大箱空白時代の幕開けでした。
ついにここも抜けたかとアキバを歩いている者すべてが言葉を失った、あの閉館告知。
駅から1分以内の一等地。
これほどの立地にテナントが決まらない期間が続いたこと自体が異例でした。
そしてしばらくの沈黙ののち2025年11月22日、シルクハット秋葉原がオープン。
これはアミューズメント業態としての完全継続し、しかも同じビルでの再点火という数少ない復帰例です。
ここで大事なのは用途が同じまま維持されたということ。
つまりアミューズメントという機能は、秋葉原から完全には死ななかった。
もちろん運営会社は変わっています。
装飾や客層も微妙に違う。
それでもこの場所にはゲーム機が並び、誰かが景品に手を伸ばす光景が2026年も当たり前に存在している。
これは本当にすごいことです。
空白のまま沈む交差点もあるなかで遊ばせる箱としての需要がまだ残っていることを証明してくれた貴重な一例。
文化の温存ではなく構造の保持として街に残った場所です。
とらのあな跡地(秋葉原A・B)
見た目は埋まった。でも戻ってこなかった。
とらのあな秋葉原本店A・同B館の閉店。
2022年の空気を語るならここを外しては語れません。
秋葉原の同人即売会の常設とも言える店舗文化がリアルスペースからごっそり抜けたあの衝撃。
多くのアキバ民が「あのビルも空くのか」と絶句した、あの瞬間の記憶はまだ生々しいはずです。
その後跡地はアニメイトが吸収する形で見た目は回復します。
2号館が2022年12月にオープン。
さらに1号館が2023年4月に移転し跡地をそのまま活用する体制に。
店舗の稼働率・売場面積・来客数。
どれも一定以上で数字的には回復したと言っていいでしょう。
でもここに同人は戻ってきていません。
アニメイトはあくまで商業作品と公式グッズを扱う小売。
とらのあなが担っていた、非公式・一次創作・個人出版の流通というリアル流通のグレーゾーンは完全に空白のままです。(力説草)
文化の中心が組み替えられた。
まさにこの地点こそその現実を象徴する場所になってしまいました。
アニメを売る店舗はある。
人も戻ってきている。
それでも何かを掘り出すために秋葉原に来るという目的だけは、一体どこへ。
空白のまま終わらなかった地点たち
用途が変わっても街が止まらない例外の存在
2022年当時、空きテナントが増えたという話をするとき全部が沈んだと思われがちです。
でも実際の街はもっと混沌としていて違う形で生き残る例外も存在していました。
たとえば、旧ラジオ会館向かいの一角に誕生したあみあみ秋葉原ラジオ会館店。
2024年にオープンしたこの店舗はフィギュア専門の新たな巨大売場で、開店時にはイベントや記念グッズも用意され明確な勝ち筋として展開されました。
しかも、ここで売られているのはただの在庫品ではありません。
撮影ブースや展示連動・店舗限定仕様など、リアルでこそ価値がある体験型売場です。
ここでしか買えないから秋葉原に来るという体験を実際に生み出している事例と言えます。
つまり、同じ業種や同じ商品であっても、存在感を持てるかどうかにかかっています。
空いて埋まらない場所は残る。
でもあえて作って成功した売場も出てきている。
この混在こそがいまの秋葉原そのものです。
そして秋葉原にゴンチャオープン。
まさに街の変遷の象徴のような開店劇でした。
解体が意味する街の変遷
その箱はテナント交代すら待たずに壊される
もうひとつの大きな流れが老朽化ビルの連続解体です。
空きが長期化した物件ではテナント再配置すら諦めて建物ごと解体に向かうケースが増えています。
特に裏通りやジャンク通り沿いや小規模な二階建て物件などでこの傾向は顕著です。
2025年後半に観測された再開発準備組合の設立告知や道路拡幅計画と絡んで提出された用途変更申請の情報。
これらは街の構造そのものが再編フェーズに入ったことを示しています。
つまり今は店舗が空いたから次を探す段階ではなく、建物が役割を終えたから壊す段階に入っている。
これはもうアキバが空いたという話ではありません。
アキバだった場所が一度この街から退場していくプロセスです。
この流れが当たり前になる前に記録を残しておく意味は決して小さくありません。
現在の秋葉原はこうなっている
戻ったのではなく別の役割で置き換わった
2026年1月現在、秋葉原には空いているままの物件もまだ存在します。
短期テナントで回転だけを続ける場所もあれば、完全に閉ざされたままのシャッターもあります。
一方で、あの角にはドラッグストアが入りあみあみは新築でオープンし、昭和通り口にはシルクハットが入った。
街は静かにしかし確実に動いています。
ただしこの動きを回復と呼ぶべきではありません。
これは文化の再来ではなく、かつて秋葉原が持っていた機能が別の何かに置き換えられたという現象です。
どれも埋まったことには違いない。
でも元の機能が戻ったわけではありません。
街の外見だけが埋まったように見える場所がいくつも存在しています。
秋葉原は変わりました。
でもそれは進化でも後退でもなく機能の組み替えによる静かな置換です。
くまおの視点👀
かつての秋葉原はもう元には戻りません。
だけどそれで終わりではない。
思い出の街を懐かしむのは簡単です。
でも、代わりゆく秋葉原を見守る事も重要です。
なぜならばそれが新しい需要なのだから・
交差点の角に立つたびに、消えた建物を思い出すたびに、なんか違うなと感じたすべての人にこの記事が届いたら嬉しいと思います。
All Write:くまお
We don’t go back. We rewrite what remains.





