「秋葉原にもサイファーがある」その事実をあなたは知っているか?

ヒップホップの世界では梅田サイファーや渋谷サイファーといった全国区のサイファーチームが知られている。その中から何人ものMCがバトルやフリースタイラー・メジャーシーンへ送り込まれた。
だが、我らが秋葉原にも独自のサイファーチームが存在していることをご存じだろうか。
実を言えば筆者も秋葉原を長年歩いてきた中で昌平橋付近に集うグループを何度か目にしていた。
ただその頃は「路上で何かやってるな」という程度の認識だった。
ところが最近YouTubeのヒップホップ関連動画を眺めていると、
秋葉原サイファーの映像がおすすめに出てきた。
正直、最初はもっと素人のオタクラップ的なものを想像していた。
しかし実際に聴いてみて驚いたのはそのクオリティの高さだった。
即興性と遊び心が自然に融合し、
秋葉原という街の持つ混成文化がラップ表現に自然に落とし込まれていた。
ここに競争ではなく共有のためのサイファー文化が存在していたのだ。
本記事では、秋葉原サイファーの発祥から音源・出演実績・SNS展開・そして全参加者・全楽曲までを可能な限りリサーチし正確に記録していく。
フリースタイルラップが秋葉原に・・・。
秋葉原サイファーの誕生 2016年の路上に始まる
秋葉原サイファーは2016年6月12日、
いーえっく氏によって発足した。
現場は秋葉原駅から徒歩圏内の昌平橋付近。
当初は仲間内で始めた即興フリースタイルが徐々に輪を広げ現在に至る。
有名なビッグタイトルのMCバトルへの参加記録は確認できなかったが可能性はあり。
ラップバトルとも異なる即興表現のキャッチボールがこの場所に自然発生していったと考えられる。
都市の中心部にありながら商業イベントに頼らず、
今もなお自主開催型サイファーとして続いている点は敬意を表す。
秋葉原サイファーの開催スタイルとルール
開催日:毎週土曜
開催時間:概ね20時30分〜23時前後
場所:現在未公表・神田川〜昌平橋付近?
秋葉原サイファーはフリースタイルラップ初心者も参加可能という特徴を持つ。
8小節程度を目安に順番にマイクを回していく形式。
見学だけの参加も自由に許容されており固定メンバー制でもない。
X:秋葉原サイファー公式DMに問い合わせで詳細の連絡があるとの事。
競争・勝敗・ジャッジは存在せず即興表現そのものを楽しむ文化が根付いている。
参加者は各々の知識や表現を持ち寄りその場で構成する柔軟さが魅力である。
秋葉原サイファー音源リリースの記録
秋葉原サイファーは路上サイファーのみならず、自主音源の制作・頒布も積極的に行ってきた。
その記録を以下に整理する。※筆者調べで一次情報のみ。把握漏れは随時更新します。
秋葉原サイファー 音源リスト表
収録タイトル | 収録曲名 | 担当アーティスト(表記原文) | 備考 |
---|---|---|---|
秋葉原サイファー(C91) | 秋葉原サイファーマイクリレーC91 | 秋葉原サイファーC91(乱, †魔夜-maya-†, 神社, お涼, あらいぐまMC, だねこ, コース, 韻雅, キャプテン・アキハバラ, 響, Malka, 麻桃, リョーリ, Ho-Ko, いーえっく) | 全体マイクリレー |
メイドカフェへGO | キャプテンアキハバラ | ソロ曲 | |
Special lady | NAKAZ TOBAZ(HIGE, MC妖怪, ギロチン, MC wood) | ソロ曲 | |
JPEG | あらいぐまMC+DJどぶ | ソロ曲 | |
スクセブパラパラ~アキバこそホンモンのHIPHOP編~ | maya(screw seven) | ソロ曲 | |
moonside. | コース | 「月姫」サンプリング | |
妖精のいる森 | だねこ | ソロ曲 | |
Trackmake | Kiss and Wink | 全体 |
収録タイトル | 収録曲名 | 担当アーティスト(表記原文) | 備考 |
---|---|---|---|
沼の罠(C92) | ある意味、旅路? | めりー、マミヤ、アクトウ、コース、だねこ、いーえっく | |
木造旧校舎二階踊り場 | だねこ | ||
C.P.III~バカにささげる あいのマホウ~ | めりー | ||
Night Fly | マミヤ | ||
ネズミが死んだ | アクトウ | ||
Fantasy | IKE | ||
モトカレOTAKU | キャプテン・アキハバラ | ||
Inside/Online | コース | ||
Special Lady-中級編- | NAKAZ TOBAZ feat.キャプテン・アキハバラ | ||
おひるねたんぽぽ | お涼 | ||
輝きのこちら側 | あらいぐまMC | ||
プロローグ | SISO | ||
秋葉原サイファーマイクリレーC92 | 秋葉原サイファーC92(いーえっく、Malka、麻桃、名無し、Ho-Ko、マミヤ、IKE、らいんひき、キャプテン・アキハバラ、刃、アクトウ、だねこ、めりー、あらいぐまMC、れぐる、†魔夜-maya-†、コース、お涼、韻雅、SISO、マリー、乱) | 全体マイクリレー | |
bonus track | maya(screw seven) |
秋葉原サイファー参加メンバー一覧
秋葉原サイファーの参加メンバーは各音源のクレジット通りに以下の通りである。※敬称略
主要メンバー
いーえっく/乱/†魔夜-maya-†/神社/お涼/あらいぐまMC/だねこ/コース/韻雅/キャプテン・アキハバラ/響/Malka/麻桃/Ho-Ko/リョーリ/めりー/マミヤ/アクトウ/IKE/名無し/刃/らいんひき/ReCO/SISO/マリー
制作・トラックメイカー協力陣
Kiss and Wink/DJどぶ/ギロチン/つばき/15MUS/シオアニ/yoshi/IKE/ReCO/めりー/キャプテン・アキハバラ
本名・出自・ジャンル的な分類などは公表されておらず、
あくまで各自が表現する個人名義を尊重する文化となっている様子。

SNS・YouTubeでの活動発信
公式X(旧Twitter):@akiba_cypher
2025年5月31日(土)に「20時半〜23時 開催」の告知が投稿されており、
初心者・見学・途中参加自由と明記されている事を確認。
2025年現在も定期更新が継続されていることが事実として確認できます。
YouTubeチャンネルについては動画アーカイブが確認されているものの、
最新の投稿日時は2018〜2019年頃と見られ新規投稿は当面されていない可能性が高い状況です。
ですが筆者は動画を拝見して驚きました。カッコよかった!
外部イベント出演と実績
秋葉原サイファーは外部イベントにも積極的に出演してきた。
- オタラップ™ MCバトル
- オタラップバトル アキバサイファー(赤坂)
- 秋葉原COSMICLABステージ出演
- リアルアキバボーイズ(RAB)ムラトミ氏ゲスト出演回あり
こうした出演記録が秋葉原という街の外部とも繋がる柔軟な文化的交流を生み出している。
著名アーティストとの関係性の実態
- 現時点で秋葉原サイファー単体で商業アーティストとの公式コラボ音源は存在していない
- Creepy Nuts/Awichなどのメジャーアーティストとの直接制作記録も確認されていない
- 2017年にハハノシキュウ氏が現場訪問しKAI-YOUにて取材記事を発表
- 都内他サイファー活動者による武者修行的な飛び入り参加事例は複数記録あり
秋葉原サイファーの文化的位置づけ

秋葉原サイファーの核にあるのは即興表現を通じた共有の場である。
勝敗・競争・ジャッジに左右されず、
交流・共感・自主継続を大切にする文化的均衡がここに存在する。
秋葉原というサブカルチャー拠点を背景にしながらも、
サイファーの定義は参加者それぞれが柔軟に持ち寄っておりジャンル的区分を設けていない。
完全自主運営の即興文化として静かに継続している。
くまおの視点👀

秋葉原年代史に新たに刻まれたこの記事。
2016年の発足から9年。秋葉原サイファーは現在も土曜夜のどこかで続いている。
音源制作・イベント出演・SNS発信を重ね商業化せずとも独自の文化的存在感を築き続けている。
ヒップホップサイファーの文脈においても、
秋葉原サイファーは全国屈指の長期継続型自主サイファーとなっている。
今後も秋葉原文化の中で静かに息づくその姿に注目していきたい。
しかし…、戦極39章横アリ。面白かったな。
MCバトルの亜種・3on3。
紳士協定(DOTAMA・梵頭・SIMON)は驚きのメンツ。
結果DOTAMAが一人で勝ちを拾ってた気が…、おっと怒られる。
最後の梵頭が「DOTAMAが岐阜に来てくれます!」は何かほっこりした。
あのポスターもDOTAMAメインで(笑)
本記事でもちょっと触れた梅田サイファーチームが大暴れ。韻が硬いんだよな。
おっと、ヘッズ出身がバレてしまう。最後まで読んでくれた方、内緒ですよ☆
All Write:くまお
In the heart of Akihabara, where subcultures collide, a freestyle voice still echoes under the neon lights. This is not just a scene. It’s a rhythm born from passion, woven into the streets.
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