秋葉原を歩いているといろんな体験が出来ます。
それはオタ活によるアメージングな体験の他にも小咄のような体験が得られるという話し。みなさんもきっとありますよね。いや、あるという方がこの記事にたどり着いてくれたはず!
そこでくまおが体験したちょっと変わった出来事をお伝えしようと思います。
たくさんあるのでシリーズ化していく予定です。単純なあるあるからなしなしのお話まで。たぶんなしなしのお話が多い気がしますが…。
それではどうぞご覧ください!
秋葉原の体験談集「くまおが行く!」
くまおが闊歩する街、秋葉原。目的もなく歩いたり、仕事の一コマでお邪魔したり、はたまたガッツリオタ活の為に練り歩いたりとさまざま。時にビジネスホテルに泊まり込みPCポチポチするお仕事利用も多いのです。※とは言え、実は秋葉原でそれをやる意味はないのですがわざわざアキバで泊まり込む秋葉原好きなくまおです(´・ω・`)
そして気分転換で秋葉原の街を歩き、食し、満喫する行動パターン。まあ、街を観察していても楽しいですからね。
そんなパターンでPCのキーボードをパタパタしていると肩がこったり体をほぐしたくなります。すると夕方に向かうは「マッサージ店(健全な)」。その後に夕食。そして街を満喫するのがくまおのセオリーです。
その「マッサージ店(健全な)」での体験談をひとつ。
アキバの達人の方にもそうでない方にも楽しんで読んでいただけるように、短編小説風に書いていきます。ぜひ最後までご覧ください!
「あ、ココはアキバだった!」と思った体験談
序章
その日、くまおは疲れていた。
天気予報で、都内は大雨が降る事も承知していた。晴れ間が見えないであろう事も覚悟していた。
朝から都内を移動しながら空き時間を利用してカフェでPCポチポチ。仕事の打ち合わせや物件探しをしながらのPCをポチポチ。雨を避けながら差し迫った納期に怯え、電話やLineの着信が鳴らないように祈りながらPCポチポチ。
そしてようやくたどり着いたその日の終着の地、秋葉原。
アパホテル電気街口店のチェックインを済ませ、部屋に入るなり猛烈なタイピングで仕事を締めにかかるくまおΣヽ(`д´;)ノ うおおおお!
…終わった。そう、その日やるべき仕事を終わらせたのだ!時はまだ日暮れ前の刻。途切れる緊張の後にやってくる安堵感がアキバへ繰り出せるという高揚感へと変わったのを確認したくまおはシャワー室へと目をやり小さくつぶやく。「さあ、行こうか」
ビックカメラ交差点。一日中降り続けている雨空に目をやりながら帰路の事を考える。よしんばお宝掘りの成果が出たとしてもそれを持ち歩いて濡らすのも嫌だ。どうせ今回は2泊するつもりだ。今日は手ぶらで街を歩こうじゃないか。
やはりどこか疲れた体が休みたがっている。それを感じているくまおのこれからの選択肢は決まっていた。
「マッサージからの夕食だな」
一気に癒やし&グルメモードに舵を取るくまお。このモードが発動された時、行動エリアは秋葉原駅近辺に限定され、早めの帰還が確定される。
先ずはマッサージ店の予約だ。やおらくまおが取り出したiPhoneのホーム画面には「ホットペッパービューティー」のアプリが鎮座している。なぜならばくまおはよく疲れるのだ。かつての行動拠点であった神田駅周辺でもお世話になっているアプリ。リクルートさんに行動を把握されるのは癪だがなんと行ってクーポンが魅力なのだ。※別にリンクはアフィでもなんでもありません(笑)
「ヘッドスパか肩か足か…。ワイの体は何を欲している…。焦るな。ワイは体が疲れているだけや…」
ふと見つけたクーポンプランに眼を見張るくまお。『再来利用でもOK!』
おおっ。大抵は『初回限定!』で提供されるプランが店舗利用者にも適用されるという神プランではないか。
予約可能時間を確認すると1時間後なら空いていたその店舗。※この後に起こる体験談をここに記さねばならないのであえて店舗名は伏せる事にする。十分駅チカだし行った事もある。それに同じチェーンの神田店ではくまおは常連だ。
「よし、決まりだ」
早速予約を入れ確認メールを見るご満悦のくまお。このマッサージ店(健全な)までの通り道にお気に入りのラーメン店もある。
「ちょうど良いのかもしれないな」
一瞬、ラジオセンターのメイドさんがマッサージしてくれるお店(健全な)が頭をよぎった。しかし迷いを振り払うように、雨の中ではあったが軽快に歩き出すくまおであった。
本章
胃袋も満たし眠気すらもよおしながら体をソファーに預けているくまお。
ここはお目当てのマッサージ店(健全な)での待合室。いや、フロントの片隅といった表現の方が適当であろう。エレベーターを降りてすぐ右側に広がる店舗。廊下がない店舗直結のパターンだ。そのためお客の出入りが見渡せる位置にくだんのソファーは置いてある。
ラーメンを平らげ時間を潰したとはいえ、やはり予約時間より早く着いてしまったようだ。くまおは店員さんに許可を得てソファーで休ませてもらっているという状況である。
ちょうど外が暗くなった頃合いで、マッサージを終え続々と帰っていくサラリーマンの人々を横目で見送るくまお。
「疲れているのはワイだけやないんやなぁ」
そんな事を考えているとスタッフさんに「もうすぐご案内出来ますので!」と声を掛けられる。早く来てしまったくまおは「あの、ゆっくり準備してくださいね」とバツが悪そうに答える。
すると勢いよくシャーと開くカーテンに思わず反応するくまおの視線。
「ありがとうございましたー!とても体の疲れが取れましたー!気持ちよかったです!」
そう大きな声で謝辞を述べるのは若い青年。施術を終えたお客さんのようだ。
「こちらこそありがとうございました😊」
こちらは若い女性スタッフさん。(くどいようですが健全なお店の話しですよ!)
「今回は足の疲れを中心にマッサージしてもらったから次回は背中を中心にお願いしたいと思います!何度きても良いなぁー」※説明調とセリフ調はほぼ忠実に再現しています。
どうやら常連のお客さんのようだ。サラリーマンや社会人風のお客さんが多いのがマッサージ店(健全な)の特徴などと勝手に考えていたくまお。若い学生風(くまおプロファイルによる)のそのお客はある種異形であった。
「じゃあまた来ますねー!」
そう明るく言い放つと、RADWIMPS顔負けのハットを被りながらその青年は靴の並ぶ出口へと歩を進める。まあ、何にせよ明るくて気持ちの良い青年だ。と若者に心の中で「お疲れ」と告げるくまお。
と、そんな矢先だ。事件は起きた!
「あれーーーーー!!」
その大きな声に視線を送る若い女性スタッフとくまお。
「なんでーーー!なんでーーー!!」
心を落ち着かせてくれるヒーリングミュージックが微かに聞こえていた、静かな空間であるはずのマッサージ店(健全な)に突如響く叫び声。ドキリとしたくまおが思わず腰をあげようとしたその瞬間。
「ど、どうされました!?お客様?」
先程次の支度にかかろうとしていた所、その若者の声に振り向いた若い女性スタッフが状況を把握するために恐る恐る声を掛ける。
「ぼ、く、の、傘がないのーーーーーー!!」
「ひぇーーー」
嘘のような本当の会話に耳を疑うくまお。そしてくまおはこういう事態に遭遇した場合(どういう事態だ💧)、持ち前の好奇心が強烈に頭をもたげ『くまお頭脳戦モード』が起動するのだ!
『くまお頭脳戦モード』
【くまお心の声】
傘がない?確かに今日は、ほぼ丸一日雨が降っていた。時には激しい雨でくまおの靴も乾かさなければいけない程だった。この若者が傘を持ってこの店に入店したという可能性は非常に高い。だから傘が無いという事象に驚き戸惑うのは仕方のないことだし、おそらく事実を言っているのだろう。しかし、あんな大声で叫ぶというのはどういう事だ?くまおであればどうするだろう?施術中であろうブースのカーテンはほとんど閉まっている事と予約時に空きがかなり少なかった点を踏まえてもまだ店内に残る客とスタッフは大勢いるであろう事は容易に推測出来る。小心の性格も手伝ってくまおならきっとこっそりと店員に事実を伝え、変わりとなるビニール傘でも借りれないか交渉してみるのだろう。だが、この青年はそれをしない。いや、していられない事情を抱えているのだ。それを咄嗟に言葉として、さらにその大きな声量で周りやスタッフにアピールする事を目的としているのだ!だとすればどんな事情を抱えているというのだ。持ち去られた傘。またそれがないという事を受け入れる事が出来ない心情の吐露。だとすれば…。そうだ、この挙動の真意は次の2点に集約されてるのではないだろうか?
1.高価な傘である。あるいは返さなくてはいけない傘である。
2.こだわりの傘、あるいは思い出の傘である。
こんなところだろう。それならば騒ぐ気持ちを瞬時に落ち着かせようとする方が無理がある。思い入れのある宝物を簒奪されてしまったようなものだ。怒りや悲しみが込み上げ語気が荒くなったとしても一体誰に攻める事ができようか!そんな絶望の渦中にある青年にくまおやスタッフは果たしてどんな言葉をかけてあげられるというのだ!非情!まさに非情!!この青年の大切な傘を持ち去った人物は果たして今どこで何をしているのであろうか!!許すまじ!キー!
(この間0・87秒)
すると当然ではあるが女性スタッフが、くまおも求める『解』であるその質問を問いかける。
「どんな…傘ですか…(;゚д゚)ゴクリ…」
かぶせ気味に答える青年。
「〇〇ちゃん!(キャラ名)〇〇っていうアニメの〇〇ちゃんの傘!」
静まる店内。女性スタッフもくまおもただただ無言で息を呑む事しか出来ない。これが金縛り、か…。だとしたら、そうなのだとしたらくまおの脳内にイメージされる傘はアレだ。小学生が差している(最近見かけなくなったが)あの手の傘…、なのだろうか?そんなはずはない、だがしかし…。混乱に陥るくまお。そしてその刹那、くまおに本題でもあるあの感覚が舞い降りたのであった。
『あ、ココはアキバだった!』
終章
それにしても、である。
そんな事が現実で起こり得るのだろうか?この記事をご覧戴いている賢明な方の心の声は痛いほど伝わってきている。しかし「事実は小説より奇なり」そんな陳腐な言葉で片付けるには惜しい体験談であるとくまおは言わなければならない。
なぜならばこの話には続きがあるからだ。
そう、これはくまおが体験した事実譚なのである。
いろいろあったがようやく着替えを済ませ施術ベッドに体を投げ出す事を許されたくまお。
うつ伏せになりがら既に始まった施術にその身を預けていた。(健全なお店です!)簡単なヒアリングのあと、軽い頭痛を嘆いたくまおの頭をトントンと叩いてくれているのは、先程の若い女性スタッフだ。
「今日はお仕事ですか?」
「そうですね。早く終わったので来ちゃいました」
「二度目のご来店みたいですね。ありがとうございます!」
気さくに話してくれるタイプのスタッフさんのようだ。嫌いではない。気づけばくまおは雨の中転々と移動しながらせわしい一日だった様子を語っていた。まったりとした時間が流れ(健全な店)完全にリラックスするくまお。しかも店内で外の様子は伺い知れない。完全に秋葉原でマッサージ(健全な)を受けている事など忘れてしましそうな心持ち。最高だ。
「このお仕事(健全)はお客様のお話が聞けるのも楽しみのひとつなんですよ」
なんと殊勝な心がけ。いや、心配りと言ってよういだろう。よく喋るくまおが自重し始めて黙り込んだその時に発せられた言葉だ。
「それだけ気遣いが出来るなんてスゴイなぁ。きっといろんなお客さん来るから大変でしょう?」
「そうですね…。いろんなお客様がいます…。」
自分の事は棚にあげるくまおの言葉に対して、そう返すスタッフさん。
【くまお心の声】ん?あれ?この流れはさっきのRADWIMPSをイジる流れなのか?だとすれば、これだけの心配りを見せるスタッフさんからはあのお客をイジるなどという事はありえないのだろう。ならばコチラからイジるのが礼儀!
(この間0.28秒)
事もあろうに無礼極まりない事を考えてしまい、すっかりリラックスしてしまっているくまおはついに切り出す。
「あの、先程の傘が無くなったお客さん。何かかわいそうでしたね…」
するとその瞬間、まってましたとばかりに女性スタッフさんが堰を切ったように話し始める!
「ホントですよ💢大事な傘ってわかってるはずなのに勝手に持っていくなんて!そんなお客さんがいる事がショックです!!何考えてるんでしょうか(# ゚Д゚)ワタシだってお気に入りのグッズを持って行かれたらそうなりますよ💢だいたい…」
突然の、しかもくまおの予測した返答と違う感情が飛び出したスタッフさんの弁に気圧されるくまお。そして、そうかそうかと再び舞い降りてきたあの言葉。ひらめきに近いあの感覚。
『あ、ココはアキバだった!』
そしてシリーズは続く…
長くなってしまいましたね。
今回の体験談は気持ちの良い人物しか登場して来ていません。そして若い女性スタッフさんが見せてくれた心配りが素晴らしかったという話しでもあります。
このブログ自体は秋葉原に関連した街の情報やゲーム・アニメの話しなどをメインとしていますが、やはり経験・体験談や実演・考察を主とした解決記事がブログの華。
そこでこんなシリーズも書いていきたいと思います。
最後まで読んでいただいた方は大変にお疲れ様でした。そしてありがとうございます。
それでは他の体験談の記事でお会いしましょう!
All Photos:くまお
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