秋葉原と言えば、『アニメ』『フィギュア』といった印象が強いです。
しかしながら、秋葉原の魅力はこれだけではありません。
もう一つの名称、それは、
『電気の街』
このような呼ばれ方もしているのです。
先日、PrimevideoのNHKオンデマンドで配信されている「ドキュメント72hours」という番組を視聴していると秋葉原の街の様子を伝える「秋葉原 電子部品に魅せられて」 の回がありました。ある電子パーツお店でのお客さんの生き様を伝える番組構成で、そこには萌えの要素は無くひたすらに電子部品と向き合う人々の姿でした。
印象的だったのが、あるお客さんのつぶやき。
「何だかアニメとかフィギュアとかそういうのに溢れてきた秋葉原が寂しい…」とご年配の方がお話されていました。
くまおはこれまでの記事で、「萌えが無くなっていくアキバなんて嫌だ(´;ω;`)…」とわがままを言ってまいりました。それと同様に『電気の街秋葉原』を愛してやまない世代の方もいるのだなぁと深く染み入ってしまったのでした。
確かに人に歴史あれば街に歴史あり。あらゆる人々があらゆる視点で語るべきなのが「主観の問題」であるのならば、くまお世代はその成り行きの中で竚む蝶が如き存在に過ぎない。そんな事を考えさせられる番組でした。そしてとても良い番組でした😊
さて、そんな世代の方々に敬意を表し、一体いつから電気の街と呼ばれるようになったのかを考えていきましょう。
そこに至るまでに秋葉原に住んでいる方の大変な努力があったのです。
それでは時代を遡って当時の状況を見てみましょう!
終戦後の復興の要『ラジオ専門店』の普及が影響
かつて戦火のなか、日本では多くの空襲を受け絶望的な被害が出ました。
そしてこの空襲を受けた土地の中には秋葉原も含まれていました。
無事終戦を迎えるも秋葉原周辺はひどい状態であり、復興のために地域住民の方は大変な努力をして現在に至るという状況です。何より住民の方々のご苦労が忍ばれます。
そんな過酷で大変な復興の最中、秋葉原に大きな影響をもたらせたアイテムが『ラジオ』でした。
当時のラジオは情報を得るための必要なアイテムであり、数少ない娯楽商品の1つでもありました。
空襲の被害でラジオメーカーがラジオを販売することができない状態となってしまった中、秋葉原の神田周辺ではラジオ部品専門の露店を多く展開を行い、ラジオの修理や部品から自分でラジオを作ることができる環境を作り上げました。
秋葉原独特のオタク的な細かい知識はここからきているのかもしれませんね。いや、むしろ日本人の専門性の高さは悠久の歴史の中で古くから醸成されていたのかもしれません。
とは言え、ここにも何かルーツを感じざるをえません(二重否定の強い肯定)。
神田住民の戦い~『電気の街』の聖地、秋葉原の誕生
そしてようやく復興の先駆けとなるラジオ専門店が展開し賑わってきた我らが秋葉原にも、事態を一変する出来事が起こってしまいます。
それは『露店撤廃令』でした…。
『露店撤廃令』とは、1949年〈昭和24年〉、街の主要となる道路を拡大するために政府が出した指令で、当時多くあった露店のほとんどが立ち退きを要求されました。ぐぬぬ…
しかし、当時のラジオは生活に必要なアイテムでもあったことから秋葉原の人たちは何とか出店できないかと考えます。
考え抜いた結果、秋葉原の人たちは驚くべき行動に出ます。
なんと連合国軍最高司令部に直談判を行い、高架下のみなら露店の出店を認めてもらえるという特別な許可を得ることに成功しました。
数多ある偉人たちによる交渉ごとの中で、この市井の人々による功績はあまり語られていないのが実情です。しかし、暮らしを守り街を守る人々の情熱というものには脱帽せざるを得ません(二重否定の強い肯定②)。
この歴史的分岐点において選択された世界線こそが現在のアキバなのです!!
当時の連合国軍最高司令部も、皆さんの強い思いを受け止めてくれたようです。
現在でも高架下には露店を見ることがあるように、当時の歴史は現代にも引き継がれています。
こうして秋葉原では、ラジオを中心とした家電製品を多く扱うようになり今日の『家電の街』、『電気の街』と呼ばれるようになったのです。
『オタク』というイメージが強い秋葉原では、
どこか軟弱な印象を抱えている方が多いとは思いますが、実際にはこのようなアツく逞しい先人たちのお陰で今があります。
少しでも秋葉原に対して良い印象を得て頂ければ幸いです。そして先人たちの皆様の熱い想いを後世に語り継がなければとも思うくまおなのです!
くまおの視点👀
以上、今回はくまおが語りたい秋葉原の街の歴史をお伝えしました。
現在は光量豊かな夜の秋葉原を見ながらみなさんは何を想いますか?またどんな時を過ごされているのでしょうか?くまおはロクな過ごし方しかしていませんが時にしんみりと思いにふける夜もあるのです(笑)
先達の方々のご苦労の上に立ち日々を過ごす私達。そしてそこで体験出来る日常のありがたさ。例え毎日同じ電車に乗り同じ駅で降りる繰り返しであったとしても考えるべき事は実はたくさんあるものです。まあたまに想うくまおなので偉そうな事は言えませんが…。
街を歩いていると「こんなところに石碑あった?」みたいな事ってありませんか?そんな「気づき」を得られる心の余裕は持っていたいものですね。
また、NHKの配信番組「ドキュメント72hours」の興味深さについても少し触れさせていただきました。くまおはこの番組が大好きで、特にオタク必見の「大阪プラモ店の回」がお気に入りです。息子さんの為におじいちゃんがガンプラの新作発売日の度に抽選の列に並んでいるというエピソードに涙を禁じえません(泣)神回です☆
悲喜こもごもの人言模様が気になった方はそちらもチェックしてみてください。
All photos:くまお
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